榊原家のティーパーティーVol.4

2019年6月1日~2日 サンリオピューロランド内フェアリーランドシアター

出演者:榊原タツキ、コンスタンティン、朴ウィト、マイメロディ、執事長の中島、榊原家のメイド達、小日向タケル、弓削ミコト、宇迦野リンネ

 

4回目となる今回のティーパーティーでは、新たなキャラクターとしてタケル、ミコト、リンネの三人が出演となっています。

クロノス学園公式Twitterで更新されている漫画では今回のティーパーティーに彼らが参加するに至ったまでの流れが描かれていますので、目を通しておくとストーリーが分かり易いかと思います。

 

こちらは前回同様ストーリーの大まかなレポになります。

台詞はあくまでストーリーを把握出来る程度のニュアンスであり、日替わりネタやコント、詳しいダンスの内容などは割愛しております。

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♪PORTE BONHEUR
パーティーの準備をする中島とメイド達。
そこにタツキが入場してくる。
「みんな!今日は榊原家のTeaPartyへようこそ!」
客席に向けて挨拶をする榊原家のみんな。

 

「オデ、楽しみすぎて眠れなかったど~」
「え!大丈夫?」
「見て見ておめめがまっかっかのモフモフ…」
「ふふ、ほんとだまっかっかのモフモフ♡僕も昨日は眠れなかったよ~」

 

コンスタンティンタツキの腕に抱かれながらタツキに話しかける。
「たちゅき、Tea Partyで一番大事な事ってなんだと思う?」
「大事なこと…?うーん…気合い!」(※ここ日替わり)
「ブッブー!正解は、お・も・て・な・し。おもてなし力!」
「おもてなし力?」
「そう。パーティーに来てくれたお客様に楽しんでもらうために、精一杯を尽くそうとする気持ちのことだど」
「そっかぁ。じゃあ、今日は僕のおもてなし力全開でがんばるね!頼んだよ、中島!」
「はい、お坊ちゃま」
「たちゅきはなんもしないのかぁ~!?」
掛け合いをしながら楽しそうに笑う榊原家のみんな。

 

SWEETS☆TIME (榊原タツキ・メイド)

 

「もうそろそろお時間です。いそいでパーティーのご準備を。」
「ハイ!!!!」
慌ただしく準備を始めるメイド達。
「本日いらっしゃるお友達のお名前を確認させて頂いても宜しいでしょうか?」
「うん、いいよ。」
「朴ウィト様、小日向タケル様、弓削ミコト様、宇迦野リンネ様…以上でお間違いないでしょうか?」
「うん、合ってる」
「みんなに会えるの楽しみだなぁ~」
「今日は天気もいいし、絶好のティーパーティー日和だね」
「そうだなぁ、でも今日は天気予報で晴れのちカミナリって見たから心配だど」
「晴れのちカミナリ!?そんな天気ある?ぼく聞いたことないけど…」
「あまたつが言ってたから間違いないど」
「あまたつ!?こんなに天気がいいのに雷なんてなるかなぁ?」
「あまたつ当たるからなぁ…」

 

屋敷のチャイムが鳴り響く
「朴ウィト様がいらっしゃいました」

 

フィクサー(朴ウィト)
ジャグリング、箒を顎に乗せるなどのパフォーマンスを混じえてカッコいいダンスで朴ウィトが登場

 

「いらっしゃいウィトっちー!!」
曲が終わるなり一目散に朴の元に駆け寄り飛びつくタツキ。
タツキ先輩、今日はお邪魔します!」
「うん!」
「えっ、もしかしてぼくが一番のり?」
「そうだよ!」
「そっかー……一番って…いいものですよね」
「そうかな?」
「何でも一番がいいじゃないですか!」
「うーん、たとえば?」
「たとえば…一番星!」
「…??」
「あ、一番線!…一番線、電車がまいりまーす、危ないでのすので白線の内側までお下がりくださーい」
列車コントでガタンゴトンと客席を一周してステージに戻ってくるパクタツ
朴は続いて二周目をしようとするタツキが止めに入る。
「ちょっと待って!!」
「何で止めるのガタンゴトン!」
「今日はティーパーティーだよ!」
「知ってるよガタンゴトン!」
「ガタンゴトンは置いといて!…思い出してよティーパーティー…」
「あっティーパーティー」(思いだし)

 

話が脱線しつつもティーパーティーの事を思い出した朴とタツキは、今回遊びに来る3人の事を話し始める。
「タケルくんとミコトくんとは話したことあるけど、リンネくんは先生の紹介で挨拶しただけだから緊張しちゃうなぁ」
「僕も初めましてだけど、先生の紹介の子だから大丈夫でしょ。すぐに仲良くなれる気満々♪」
そう話していると、屋敷のチャイムが鳴り響く。

 

♪詠人(弓削ミコト)
弓削ミコトがまったりとしたテンポで周りに手を振りながら登場

 

「ミコトくん、いらっしゃい」
「あ~…!こんにちは~」
ゆっくりした口調で二人に挨拶をするミコト。
お互いに挨拶を交わすもどこかテンポの合わない喋りに朴とタツキが困惑していると、また屋敷のチャイムが鳴り響く。

 

♪カレーのちライス(小日向タケル)
音楽は流れる中なかなか出てこないタケルに、キョロキョロとタケルを探すみんな。
するとステージ端の大きな花のオブジェの中からタケルが登場する。
「タケルくん待ってたよ!」
「すみません!玄関から広くて迷っちゃって、そしたら大きな穴があって覗いてたら落ちちゃって、気付いたら花から出てきました!」
「そんなトトロのメイちゃんみたいなことあります!?」

 

「あなたがトトロって言うのね!」
「タァ~~~ケェ~~~ルゥ~~~!」
トトロの物まねをして楽しそうに盛り上がるタケルと朴。

 

「それにしても、タツキくんの家すごいですよ。」
「そんな事ないと思うけど」
「そんな事あります!あの方たちは?」
執事の中島とメイド達を見て不思議そうにしているタケル。
「執事の中島だよ」
「ひつじ?」
「メェ~メェ~!」(羊の物まね)
「し、つ、じ!それと、メイドのみんな」
「まいど?」
「メイド!」
「まいどってww大阪じゃないんだから~」
「粘土ってなんですか?」
「メ・イ・ド!」
「粘土wこねちゃう」
あまり理解が出来ない素振りを見せつつ、並んでいるメイド達に挨拶を始めるタケル。「網戸さん、初めまして!」
「網戸www風通しwww」
準備のために退場するメイドたち
「網戸さんたちバイバイ!」
 人数が増えて賑やかになった屋敷内。
朴とタケルは初対面ながらもお互いにボケ合って楽しそうにしている様子だった。
「お屋敷に来るのは初めてだと思うけど、今日は僕がホストになってみんなを楽しませるから、遠慮なく楽しんでいってね!」

 

「ミコト先輩、今日は楽しみましょうね。それにしても、この前教室に行った時も思いましたけど、ミコト先輩っておっとりさんですよね」
「うーん。楽しもうねぇー。」
「今日はいい天気ですね」
「そうかなぁ~」
「ん?」
「天気いいねえ~~」
「二人とも!全然噛み合ってないよ!」
「「本当だぁー!」」
「あ、合いました!イェーイ!」
ハイタッチしようとして一回目は空振りするも、二回目はちゃんと成功する2人。
話のテンポはなかなか合わないが、ミコトと朴も気が合わない訳ではないようだった。

 

「あとはリンネくんだけだね。」
しかしいくら待ってもなかなか来ないリンネ。
「この前、先生のとこに招待状出しに行ったとき先生が『俺、行けないんだけど、リンネ代わりに行ってきてくれよぉ』って言ってたど」
「だからみんなも宜しくね」
「でもお腹すいたし、先にみんなで始めちゃうって選択は……」
(無言の圧力をかけるタツキ)
「……ないですよね!ないです!タケル先輩そりゃないですよ~」
「えっなんかいった?」(オブジェに耳を当てて遊んでいて話を聞いていないタケル)

 

そうこうしていると、屋敷のチャイムが鳴り響く。

 

空想メソロギヰ(宇迦野リンネ)
入ってきてみんなの顔を見るなり一度引き返してしまうも、なんとか登場するリンネ

 

「こんにちは」
「お待ちしてました!榊原タツキです!」
それぞれリンネに自己紹介をはじめるみんな。
「初めまして、今日はケント先生に行っておいでと言われて来ました。よろしくお願いします。」
「初めましての人ばかりで緊張するかもしれないけど、楽しんで行ってね!」
「二人も!」(タケルとミコトに向けて)

 「ハイ!僕はもう既に楽しんでます!」
フクロウのオブジェや小さい家のオブジェに話しかけて「たのしー!」とはしゃぐタケル。朴やミコトもあっという間に打ち解けて楽しそうにしている。
そんな中何処か気まずそうにしているリンネに、タツキが話しかける。
「大丈夫…?」
「なんか元気ないなぁ。」
顔を覗き込んでくる朴に対して、思わず顔を背けてしまうリンネ。
「ていうか目合わせてよ!」

 

「まぁまぁ。中島、みんな揃ったから始めよっか!」

 

♪夢路香りて宴と為す
みんなで楽しく踊るなか、リンネだけは終始付いていけない様子であった。

 

「このクッションみたいのなんですか?」
「えっ知らないんですか?すっごく美味しいんですよ」
名前がなかなか思い出せない朴
「違うよ!マカロン!フランスの代表的なお菓子なんだよ」
「さぁ、皆さんもどうぞ!」
リンネやミコトにもマカロンを渡しにいく朴。
タケルは美味しそうにマカロンを口にする。
「都会ってスゲーなぁ!僕たちの島じゃこんなオシャレな食べ物ないですし、オシャレなパーティーなんてしないですよ」
「タケルくんはアキラっちょと同じ出身なんだよね」
「はい。僕たちの島じゃ、パーティーっていうか寄合っていうのがあって、獲れたての魚を捌いて、じっちゃんやばっちゃんが三味線片手に歌ったり踊ったり。こんなオシャレじゃないですよ。」
「へぇ、でもそれも楽しそう!」

 

「ミコトくんは、幼稚舎の時うちに遊びに来たことあるんだもんね!」
「うーん。……覚えてる…よぉ…?」
「絶対覚えてないやつだ」
「仕方ないよ!僕も記憶が曖昧だし!久々の再会ってことで改めて宜しくね!」
「ミコト先輩ってダンスの経験あるんですか?」
「うんー。ちょっとだけど~。」
「おっとりさんだから、アップテンポのダンスは難しそうですね」

 

「リンネくんはぁ…。……あれ、リンネくんは!?」
タケルとミコトの話に夢中になっていると、いつの間にかリンネの姿が見当たらなくなっている。
居なくなってしまったリンネを探して辺りを見回すみんな。
ワァーーーーーーー!?!?オーマイガッッッ!!!オーマイガッッ!!!居なくなっちゃたOR最初から居なかった!?私たちは…私たちは始めから居ない人に話を掛けていたとか!?」
「なに言ってんだよぉー!!ウィトっちがいじめるから帰っちゃったんじゃん!」
「僕いじめてないですよ!」
「僕探し行ってくる!」
「ほっとけばいいじゃないですか。」
「先生からよろしく頼むって言われたんだからダメだよ…僕行ってくる!」

 

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突然の雷雨のなか、崖の上に一人で座り込んでいるリンネ。
名前のない怪物(歌:宇迦野リンネ)
どこか寂しく苦しそうに歌い上げるリンネ。

 

「やっぱり来るんじゃなかった…」
そこにマイメロディがやってくる。
「どうしたの?」
「…君は?」
「私はマイメロディっていうの」
「僕は宇迦野リンネ…」
「何かあったの?何でも言って?そんな辛そうな顔してるの見たら私も辛い。だから、話してみて。」
「実は…先生に言われて友達の家に行ったんだけど、仲良くなれなくて……。でも、仲良くなれると思ってたんだ!彼らのダンスの動画見てたし。その動画、すっごくかっこよくて、僕もこんな風に踊れたらって思ったんだ!でも、実際会ったら緊張しちゃって…」
「なーんだ!宇迦野くんの悩みはすぐに解決しちゃうね!」
「え…?」
「だって、宇迦野くんの心は決まってるもん。誰だって、最初は怖いんだよ。でも、勇気を出して、アルスマグナのダンスを見てすごいって思ったこと、僕もこんな風に踊りたいって思ったこと、伝えてあげて。きっと、アルスのみんなすごく喜ぶと思うの。それって、一番の思いやりだよ。さっき、アルスの事を話しているときの宇迦野くん、目がキラキラしていたよ。本当に好きなんだなって思ったもん。その想いは、絶対に伝わるよ。」
「……ありがとう、頑張ってみる」
「宇迦野くんなら大丈夫!」

 

「リンネくん?リンネくん……?ここにもいない…」
雨の中一人でリンネを捜して回るタツキ。
「一人で大丈夫かな……かわいそうなことしちゃったな……」
ウロウロとリンネを捜して彷徨うタツキの表情はどこか辛く寂しそうであった。
ついには持っていた傘を手放して、苦しそうに胸を抑えるタツキ。

 

♪Gothic and Lonliness(榊原タツキ・メイド)
苦しそうに踊り狂うタツキの姿を、遠くから眺める中島とリンネの姿
タツキは苦しそうにリンネの名前を呼びながら、また捜しにその場を離れていく。

 

「すごく可哀想だった……どうしたんだろう」
一人で雨に塗れるリンネに、中島は持ってきた傘を渡す。
タツキお坊ちゃまは、一人で悩みを抱えるリンネ様を想い、自分とコンスタンティン様を重ねていてもたってもいられなくなったんだと思います」
「どういうこと?」
タツキお坊ちゃまは、今でこそダンス部の皆様といつも笑顔でおられますが、それまではよく一人で家に閉じこもっておいででした。」
中島は、タツキが昔は両親が不在がちで孤独だったこと、コンスタンティンも夫婦仲の悪い過程で育って孤独だったこと。その後お互いが出逢い心を寄せ合うようになった話をリンネに伝える。
「僕が悩んでいる事なんて大した事じゃないのに、そんな辛い事思い出させちゃったのか…」
「一緒に屋敷に戻りませんか?」
中島はリンネの肩を抱えながら屋敷へ戻っていく。

 

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「宇迦野くーーん」
「こっちにもいません」
傘を差しながらリンネを捜す朴とタケルとミコト。
朴の頭にはなぜかカラフルな小さい傘がのっている。
「何処にもいないですね…」(真面目顔)
「どうしたのそれ?」
「何がですか?」
「帽子なのかな?」
「傘ですよ!」
「傘にしては小さくない?肩濡れちゃうじゃん」
(肩をすぼめて傘の中に無理矢理入れる朴)
「おかしいでしょw!」
「そんなことないですよ!これ便利なんですよ?傘使っちゃうと片手塞がっちゃうけど、こっち(ミコト)なんて両手塞がってるけど、両手が使えるんですよ!両手使えると、なんでも出来るんですよ!!」
「たとえば?」
「た、たとえばw?たとえば…」

 

「グーチョキパーでグーチョキパーでなにつくろ~?なにつくろ~?」
日替わりでサンリオキャラクターを表現してみせる朴ウィト
「暑いときは日傘の代わりにもなるし」
「だれかも言ってたような…」
「絶対流行ると思いますよ」
「絶対流行らないよ!ね、ミコトくん」
「絶対流行らないねぇ~」
またリンネの捜索を再開しようとするがどこか飽きている様子の朴。
「疲れたんで、ちょっと休んでいきましょうよ」
座ってスマホで動画を見始める朴。
「何見てるんですか?」
「ダンスの動画!」
タケルとミコトにダンスの動画を見せる。
「もう一回見よっと」

 

♪金曜日のおはよう(朴ウィト・小日向タケル・弓削ミコト)
タケルと朴が楽しそうに踊る様子を見て、今までゆっくりとしていたミコトが急にキレのあるダンスで混ざる。

 

「すごいですよミコト先輩!あのおっとりとした口調からは想像できないキレのあるダンス!」
みんなはリンネを捜しに戻ろうとするが
「もう帰りましょうよ。先生の紹介の子だから仲良くしようと思ったのに、暗いし、目も合わせてくれないし…」
「でも…」
リンネの捜索になかなかノリ気にならない朴ウィト。
そこにマイメロディが現れる
「こんにちは」
メイメロディに一人一人自己紹介をする三人。
「さっき、みんなのお友達の宇迦野くんを見たよ」
「えっ、何処にいたんですか」
「この先の公園にいたよ」
「ありがとうございます!」
「いいですよ行かなくて、それよりミコト先輩違うダンスも見せてくださいよ。マイメロちゃんも、ミコト先輩のダンスすごいんですよ!」
「宇迦野くんも、みんなと踊りたいと思うよ。」
「え?」
「さっき宇迦野くんね、アルスの動画を見てすっごくかっこよくて、あんなふうに踊れたらなって言ってたの。」
「宇迦野くんが!?」
「私も宇迦野くんがみんなと踊ってるところ見て見たいな。彼はちょっと勇気が足りなかっただけで、みんなと仲良くなりたいと思ってるはずだよ。最初は誰だって怖いけど、誰だって話すの怖いけど、みんなと仲良くなりたいのよ。分かってあげて。」
「ぼく、悪い事しちゃったかも…」
「大丈夫よ、その気持ちがあれば!」

 

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「リンネくん、リンネくーん……どこ?」
一人でリンネを捜して彷徨うタツキ。
振り返るとそこにはリンネの姿が。
「あ!びっくりした!!」
「ごめんなさい、びっくりさせるつもりなくて…」

「ううんいいよ。会えてよかった。みんな心配してたよ、いこ?」
「あの!」
「うん?」
「あの、今の僕の気持ちが、上手く表現できないんですけど…」
「うん」
「先生に行けって言われて、来てみて……」
言いかけるも沈黙してしまうリンネ。
「もういいよ、大丈夫。いこ?」
「これだけは言えます!今日は来て良かったです。お招きありがとうございました!」

「こちらこそ!ありがとう」
リンネの言葉を聞いて、嬉しそうに笑うタツキ。

 

♪君と踊れば(榊原タツ・宇迦野リンネ)
タツキがリンネに振付を教える形で、一緒に踊る2人。
不慣れなリンネはぎこちなくタツキを真似て踊るが、その表情は戸惑いながらもどこか晴れ晴れとした様子だった。 

 

タツキ先輩!」
「あ、宇迦野くんもいた」
踊り終えたタツキとリンネの元に、朴とタケルとミコトの3人も合流する。
「なんか、ごめん…!」
頭に傘を乗せたまま、朴はリンネに向かって頭を下げる。
「ううん、僕の方こそ、ごめんなさい。」
朴の頭の傘にびっくりしながらも、ちゃんと答えるリンネ。
「あー!宇迦野くんー、いたー」
ワンテンポ遅れてリンネに反応するミコトに、「遅いよー!」と笑いあうみんな。
先ほどまでぎくしゃくとしていた空気は、不思議と打ち解けていた。

 

みんなの心が晴れるのに応えるように、さっきまでの雷雨はいつの間にか止んでいた。みんなは差していた傘を閉じ、それを屋敷のメイドが回収していく。

 

「改めて、ティーパーティーを始めたいと思います!」
♪PORTE BONHEUR
全員で楽しくダンスを踊って、ようやくティーパーティーの幕が開ける。
カーテンコールへ。

コンスタンティン出演履歴

榊原家のTea partyの過去の公演についてと、人間の姿のコンスタンティン(以下コンちゃん)が登場したTea party以外のライブ・イベントです。

星元くんが出演決定する前からの情報と出演決定後のイベントを記憶する範囲で簡単にまとめました。

過去の公演を知らない方や、思い出したい方などの参考になれば幸いです。

(映像作品として残っているものは説明を軽めにしています。ぜひお手にとっていただければ嬉しいです。)

 

◎榊原家のTea party vol.1(2014年12月13日@サンリオピューロランド)

榊原家に朴ウィトくんがゲストとして招待されています。

人間の姿のコンちゃんは登場しませんが、Gothic and Lonelinessで公開された榊原家にある開かずの部屋の話について少しだけ触れています。(開かずの部屋については"Gothic and Loneliness"公式動画の動画内とYoutube版の動画概要欄参照)榊原家の開かずの部屋にきたコンちゃんは「なんだか懐かしい、そうだ、ここはオデの部屋だ」という言葉を残しています。

舞台自体はギャグ展開多めのストーリーですが、榊原家の秘密についてはまだ謎を残したまま終わります。

 

◎榊原家のTea party vol.2 (2015年5月2日、3日@サンリオピューロランド)

前回のティーパーティーに引き続き朴くんと新たに九瓏ケント先生が招待されます。

この舞台で初めて人間の姿のコンちゃんが出演します。

(細かなストーリーについては過去に観劇されたメイトさんが残してくださったレポがあります。検索すると1,2個出てきます。)

前回同様コンちゃんタツキくんの2人をきっかけに榊原家で事件が起こり、ティーパーティーに招待された朴くん先生が事件解決に東奔西走するお話。

劇中で榊原家の執事、中島さんが先生タツキくんから聞いたコンちゃんと出会った頃の話をする場面がありますが、ここで回想シーンとして黒い仮面を被った幼い頃のタツキと、同じく仮面をかぶったコンちゃんが姿を現します。

補足ですが事件解決の際、原因を察した先生が姿を消したコンちゃんと気を失って倒れてしまったタツキくんを助け出すのですが、その時に踊ったナンバーが「偽生者」です。*1*2

 

九瓏ノ主学園ハロウィンパーティ in サンリオピューロランド (2015年10月25日)

執事の中島さんがコンちゃんに色々な物語を読み聞かせていき、その物語に沿ったナンバーをアルスマグナの各メンバーが踊っていく形式のライブ(後半にはいつものMC、ライブパートあり)

前半パートの読み聞かせの終盤で、人間の姿のコンちゃん(仮面)タツキくんが榊原家のTea partyのテーマソングである「PORTE BONHEUR」を踊ります。

その後コンちゃんは去っていき他のメンバー4人がやってきて後半のライブパートに入るのですが、夢の中での出来事なので人間の姿のコンちゃんに会えたのはタツキくんだけです。

 

●ARSMAGNA Special Live 私立九瓏ノ主学園 迎春祭(2016年1月3日@日本武道館

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ARSMAGNA Special Live 私立九瓏ノ主学園 迎春祭 [DVD]

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各メンバーをクローズアップしたナンバーが1曲ずつ披露されましたが、タツキくんコンちゃん(仮面)「PORTE BONHEUR」を踊りました。

 

●私立九瓏ノ主学園 X'mas Prom(2016年 大阪:12月22日@Zeppなんば/東京:12月24日@Zeppダイバーシティ東京

各メンバーをクローズアップしたパートでふるさん作の「夢路香りて宴と為す(原曲:ニコニコ版/youtube版)」がコンちゃん(仮面)タツキくんで披露されました。*3

楽曲については後ほど榊原家のTea party vol.3の項目にて詳しく説明致します。

このライブで榊原家のTea party vol.3の開催が発表されました。(出演者はこの時点ではタツキくんのみ公開)

 

●ARSMAGNA Special Live 私立九瓏ノ主学園 平成28年度 全国生徒決起集会(2017年3月28日@日本武道館

ARSMAGNA Special Live 私立九瓏ノ主学園 平成28年度 全国生徒決起集会 [DVD]

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☆星元くんがコンちゃんとして出演が決定した初めてのライブです。

「夢路香りて宴と為す」を披露しました。 

 

◎榊原家のTea party vol.3 (2017年6月10、11日@サンリオピューロランド)

3回目では朴くんティーパーティーに招待されます。

ここで星元くんがコンちゃんとして初めてティーパーティーに出演します。

ストーリーについてはこちらの記事を参照↓

yellow-teaparty.hatenadiary.jp

ここでも「PORTE BONHEUR」「夢路香りて宴と為す」と汐日さん作曲「君と踊れば」が披露されました。*4

この公演の3日前に踊ってみた版と原曲MV版が公開され、踊ってみた版ではTea partyで実際に使われている会場フェアリーランドシアターを使って朴くんタツキくん、執事の中島と榊原家のメイドさんたちが踊っています。

原曲MV版ではボーカロイド関連など様々なイラスト・動画を手がけているたまさんがMVを作成しました。

踊ってみた版はもちろんですが、MV版ではたまさんの描かれるコンちゃんタツキくんが登場するとてもかわいらしい雰囲気の動画になっていますので、ぜひそちらもご覧下さい。

また、楽曲制作者のふるさんの曲に関するブロマガも公開されています↓

ch.nicovideo.jp

 

アルスマグナファンクラブ~α~プレゼンツ 私立九瓏ノ主学園平成29年度第80回体育祭(※ファンクラブイベント 2017年10月14・15日@恵比寿ガーデンホール)

アルスマグナのファンクラブ限定イベント。星元くんがコンちゃんとして出演しました。

体育祭の名の通り、綱引きや玉入れ、大玉転がしなどの種目を赤白2チームに分かれて競い合います。

コンちゃんはタツキと同じ白チームで色々な種目に参加し2人3脚ではタツキくんコンちゃんのペアで走りました。

体育祭では、タツキくんが着ていた旧ジャージ(現時点では新旧2種類ある)を借りて参加していて、コンちゃんがベージュの通常服以外の衣装を着たのはこれが初めてです。

また、10月15日は星元くんの誕生日であったため、2日目のリハーサル中に同じく10月誕生日の朴くんの弟スミンくんとサプライズのお祝いがありました。

lineblog.me

ameblo.jp

今までのステージでは、台本に沿ってのお芝居をすることがほとんどでしたが、体育祭では星元くんがコンちゃんとして自由に動いて喋っていたのがとても印象的でした。

また、体育祭の模様は2017年11月1日、8日放送の「半熟男子の野望2」でも放送され、2人3脚の後に喜び抱き合うタツキくんコンちゃんや、アルスマグナの代表曲である「+♂」を踊るコンちゃんなどが少しだけ見ることができました。 

アルスマグナ ~半熟男子の野望2~(Vol.2) [DVD]

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●MX祭 Vol.1「ARSMAGNA SPECIAL X'mas LIVE ~Several Winter Story~」(2017年11月23日@パシフィコ横浜

アルスマグナメンバーのそれぞれのクリスマスの日の物語にクローズアップしたライブ

ここでも星元くんが月と鏡の魔法を借りてコンちゃんとして出演しました。

クリスマスパーティーの準備をしていた榊原家で、タツキくんコンちゃん2人の願いが叶いクリスマス当日にコンちゃんが人間の姿でいられるようになります。

願いが叶った2人は、プレゼント交換をします。コンちゃんはぬいぐるみの時もいつでも一緒にいられるようにコンちゃんが入るのにちょうどいいサイズのバッグをタツキくんへ、タツキくんからはコンちゃんが人間の姿でいる時に着られるタツキくんとお揃いのジャケットをプレゼントします。*5

お揃いの洋服を着た2人は「夢路香りて宴と為す」を踊り、その後2人でクリスマスにやりたかったことをするために手を繋いで捌けます。

2人のストーリーはここまでですが、その後のライブパートでは「ココロWORLD」「Eureka moment」でもコンちゃんが登場します。

「ココロWORLD」では今まで何度か榊原家にクローズアップしたパートの後に披露されることが多く、曲の冒頭で目を覚ましたタツキくんがさっきまで一緒に踊っていた人間の姿のコンちゃんを探す描写がされていたのですが、このライブでの「ココロWORLD」では初めて2人が一緒に踊っている姿を見ることができました。

「Eureka moment」ではタオルを振りながらタツキくんと2人でステージを歩き回っていました。

 

**

以上がこれまでの出演履歴になります。

ご覧になっていただけたら分かると思いますが、現時点で映像など記録として手にとることができるものが少ないため、新たにタツキくんコンスタンティンと星元くんに興味を持った方にとって分からない部分が多かったりします。

そんな方々がよりタツキくんコンちゃんの絆、関係性について深く知ってくだされば嬉しいですし、過去公演を確認するための手助けになればと思います。

*1:この楽曲使用をきっかけに、作者の我輩Pさんが九瓏家のナンバーであるNAzNAを提供

*2:偽生者はその後の迎春祭(2016年1月3日)でもボカロメドレーの中の1曲として、タツキソロ部分に使用されています。

*3:2014年に行われた舞台クロノステージ vol.02 ~Chase the Promise!!~にて「ひよこと天秤」の楽曲使用がきっかけ

*4:「言ノ華」の楽曲使用をきっかけに「言ノ華」「Premiero」の楽曲使用に際してのライブオリジナルアレンジ版提供や「-en-」「zen」などの楽曲提供など数多くの楽曲提供してくださっているボカロ・UTAUP、「君と踊れば」タツキくんコンちゃんが出会った頃のワンシーンで披露されました。

*5:ここでコンちゃんタツキくんにプレゼントしたバッグはその後のイベントや「半熟男子の野望」でよく使われています。

榊原家のティーパーティーVol.3

 

 

 

 

2017年6月10日、11日にサンリオピューロランドにて榊原家のティーパーティーvol.3が開催されました。
出演者:榊原タツキ、朴ウィト、コンスタンティン、中島、榊原家のメイド


3回目となる今回のティーパーティーでは、人間の姿のコンちゃんが登場しています。人間の姿のコンちゃんは『ARSMAGNA Special Live 私立九瓏ノ主学園 平成28年度 全国生徒決起集会』の時に初登場。今回が二度目のお披露目となりました。
(今までのティーパーティーやアルスのライブでも人間の姿のコンちゃんが登場する事はありましたが、ずっと黒い仮面をしていて素顔の分からない状態でした)

人間の姿のコンちゃんについては、設定資料集やコミックスやノベルでも情報を得る事が出来るので興味があったら是非手に取って見てください!
『歌ってみたの本 July 2017」には人間のコンちゃんとタツキくんのインタビューとお写真が掲載されていて、これもとんでもなくオススメです。ちょっとでも二人の事が気になるなら見て欲しいです。本当に。

 

人間のコンちゃんと朴、そしてタツキくんとの関係を描いた今回のティーパーティー。
参加出来なかったメイトさんも多くいるかと思うのですが、人間の姿のコンちゃんがタツキくん以外のメンバーと絡む事自体貴重ですし、コンちゃんとタツキくんの過去についても深く描写されていて、本当に全てのメイトさんに内容を知ってほしいぐらい素晴らしい内容でした。(映像化してくれ~!)

少しでもストーリーと雰囲気を知って頂きたいという気持ちのもと、以下に今回のストーリーを簡単に(と言っても結構長いです)記載します。
あくまでセリフ等は曖昧なので、ニュアンスとして受け取ってください。
また、あくまでストーリーに関してのみのレポなのでダンスの内容や日替わりネタについては割愛しております。

 

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舞台上に置かれたコンスタンティンのぬいぐるみ。
そこにタツキが駆け寄ってくるところから始まる。

OP ♪『PORTE BONHEUR』
          榊原家・朴ウィト


「僕は榊原タツキ!このパーティーの主催で、榊原家の次期当主です!」
と挨拶を始める。
もう1人挨拶したい方がいるのでお呼びします!とタツキは執事の中島を呼びつけると、ぬいぐるみのコンちゃんを抱いた執事の中島が出てくる。

こちらは執事長の中島。主に僕の身の回りの世話と、メイドの育成をしてくれてます。でも挨拶するのは中島ではなく、中島が持ってるピンクのうさぎのぬいぐるみのコンちゃんです!」
中島からコンちゃんを受け取るタツキ。
「オデの名前はコンスタンティン。みんなからはコンちゃ〜ん!とかコン様〜!って呼ばれているけど、本当の名前はコンスタンティン・ウルフガング・レンネルフォッシュ。」
みんな覚えたかぁ~?と観客に一緒に名前を復唱するよう投げかけるコンちゃん。

 

今回のティーパーティーに呼んだ朴ウィトが来るのを「はやく来ないかな~」と楽しみそうに待つタツキ。
「本当に仲がよろしいですねぇ。」
「え、なに中島、もしかして妬いてるの?」
「はい?」
「僕とウィトっちが、あまりにも、あまりにも仲が良いから、中島妬いてるんでしょぉ~?」
「な、なにをおっしゃいますか!?」
あからさまに慌てふためく中島を見て、わかりやすいなぁとニヤニヤするタツキ。

「それで、今日の紅茶はなに?」
「前回大変ご好評頂いたパッションフルーツとストロベリーの…」
「えぇ!?またそれ?もう飽きたよ…」
「ええ?タツキ様が美味しいとおっしゃっていたので、わざわざニュージーランドまでおもむき、私自ら直接茶葉を取ってきたといいますのに!」
「でももう飽きたんだもん!」
「ははは、タツキ様~…」
「あーあ、今まで飲んだ事のないような紅茶が飲みたいなぁ」
「ははは、タツキ様~……今からですか!?」
と困りながらもタツキの言う紅茶の茶葉を探しに行く中島。

 

それを見送ったタツキは、コンちゃんに「中島どれくらいで戻ると思う?」などと話しながらステージの端に座って一息。
ティーカップを手にふぅ~と落ち着くタツキ。紅茶でも飲んでいるのかと思いきや

「白湯ぅ~~……落ち着くぅ~~白湯は身体にいいんだよねぇ~……」

「あ、そうだ、ウィトっちが来る前にネタの練習しなきゃ!」
タツキは、まだコンちゃんは見ちゃだめだからと言って、ネタの練習をする間コンちゃんをステージ下手にある大きな花の場所に座らせる。
「絶対に、こっち見ちゃだめだからね!」
とコンちゃんを置いたタツキは1人ステージの中心へ戻りネタの練習を始める。
すると、コンちゃんの居る花がどんどん閉じていってしまう。
コンちゃんはタツキに必死に助けを求めるも、ネタの練習に夢中のタツキがそれに気付く事はなく、とうとう大きな花の中に取り込まれてしまう。

 

一通りネタを披露した後、ようやくコンちゃんがいないことに気付いたタツキ。
「ここに置いた筈なのに…」と突然いなくなってしまったコンちゃんに大慌て。
こういう時はと執事の中島の名前を呼ぶも、先ほどタツキに飲んだことのない紅茶の茶葉をと頼まれ遠くへ行ってしまっていたのだった。

1人じゃどうしようも出来ないと落ち込むタツキ。ひとまず落ち着こうと座り込む。
こういう時は深呼吸もいいと思い出し、大きく息を吸って心を落ち着かせようとする。
そうしていると、どこからかどこか懐かしい良い匂いが漂ってくる。
その匂いを嗅いだタツキは「苦しい、目眩がする」と突然胸を押さえフラフラと歩き出す。苦しみは徐々に増していき、「苦しい、寂しい、悲しい」とどこか取り憑かれたかのような表情でしゃがみこんでしまう。

 

♪『ホゥカスポォカスクキング』
   榊原タツキとメイド

 

踊り終えたタツキは「コン……ちゃん……」と悲しそうに呟くが、息を切らし苦しみながら倒れ込み、眠りについてしまった。

すると
「タツ…キ…?タツキ…タツキの声が聞こえる…」と先ほど取り込まれた大きな花の中から出てくるの人間コンちゃん。

 

♪『くるみ割り人形』より”行進曲”
   コンスタンティン

 

今度はコンちゃんがタツキは何処へ行ってしまったのかと探し始める。
「タツキ!どこだタツキー!かくれんぼかー?」
ウロウロとステージ上を探し回るコンちゃんだが、すぐそこの地面にタツキが倒れ込んで居るのに気づかない。

「森の妖精の声が聞こえる…」
とコンちゃんが客席の方に耳を傾ける(倒れているタツキを跨いだ状態で)
\下!!!!/
「下!?下って地面のこと?地面なんか見たってタツキがいるわけ…」
と言いながら下にいるタツキに視線を向ける
「ほーらいないじゃないか~って、タツキーーーー!?!?」
とようやく倒れているタツキに気付くコンちゃん。
一体どうしたんだと強く揺さぶるもタツキは起きる気配がない。
心配したコンちゃんはタツキの脈を確かめながら「脈……正常。」
お互いのおでことおでこをくっつけながら「熱……平熱。」
と確かにタツキが生きている事を確認する。
一体どうすればと考えていると、屋敷のチャイムが鳴り響く。
誰か来た、取り敢えず隠れなくては、とコンちゃんはタツキをそのままに客席側に隠れる。

「タツキせんぱーーーーい!今回も呼んで下さりありがとうございまーーーーーーす!」
と元気いっぱいに朴ウィトが登場。

 

♪『脱法ロック』
    朴ウィト

 

タツキがすぐそこに倒れ込んでいるにも関わらず、朴もコンちゃんと同じ様にタツキに気づかないままどこにいるのかと探し続ける。同じようにタツキを跨いだ状態で森の妖精の声(客席)に耳を傾ける。
\下ーーー!!!/
「え!下!?下って地面!?やだよそうやって見たらヘビとかいるんでしょ!それか犬のうんピーことか落ちてるんでしょ!」
と言いながら下を見ると、そこには倒れているタツキが。
「タツキ先輩どうしたんですか!」
「脈、正常…」とコンちゃんがしたのと同じように生死を確認する。
「熱……」とおでこをくっつけようとするが、やたら辺りをキョロキョロ見ながら不審な動き。生唾を飲み込みつつ、ゆっくりと互いのおでこをくっつけて熱を確かめる。
「平熱………」
(自分のおでこに手をつけながら)「僕、高熱!」
コンちゃんと同じように朴もタツキが確かに生きているのを確認する。

 

「一体どうしたんだろう…」
「それが分からないんだ」
とずっと隠れていたコンちゃんが朴のいるステージに上がる。
「誰!?」
「誰って、コンちゃんだよ。コンスタンティン!」
突然現れた人間の姿のコンちゃんにびっくりの朴。

「武道館の時も思ったけど本当に君がコンちゃん?」
と半信半疑の朴は、本当にコンちゃんかどうかを確認するために質問を投げかけていく。
「好きな食べ物は?」
「プリンセスケーキ」
「嫌いな食べ物は?」
シュールストレミング
「好きな飲み物は?」
「紅茶」
「利き手は?」
「右手」
「得意なダンスは?」
「バレエ!」
「今何問目?」
「6問目!!!!!」
「好きな漫画は?」
「お願いマイメロディ!!!」
「本当にコンちゃんだ!!」
「だからそうって言ってるだろ!!!」
と怒り気味のコンちゃん。

「へぇ~…人間のコンちゃんって、こういう感じなんだ…」
と言いながら朴がコンちゃんの周りをまわって
「女の子だったんだね…」
「なに?」
「女の子だったんだね…」
「男だよ!!!!!」と朴をひっぱたくコンちゃん。

 

2人は倒れて寝ているタツキを起こそうとする。
「先輩の大好きなウィトっちが来ましたよ~~!」
「タツキの大大だーいすきなコンちゃんだぞぉ~♡」
「先輩の大好きな!ネタ合わせしましょう!」
「タツキの大大だーいすきなお菓子作りしよぉ~?」
「僕の方がタツキ先輩に可愛がって貰ってる!」
「毎日抱きしめられている僕の方が!タツキに可愛がられてると思うなぁ!」
「「ムムムッ!!」」
と互いの顔を睨み合い競い合うコンちゃんと朴。


こうなったら本当にタツキに可愛がられているのはどっちなのか勝負をして決めよう、とどちらが先に寝ているタツキを起こすことが出来るかで対決をする事に。

先行はコンちゃん。指をパチンと鳴らしながら例の物をとメイドさんを呼びつける。

出て来た4人のメイドさんがそれぞれ持って来たのは、もふもふの付いた棒、ティッシュ、風船とペン、いちごポッキー。
コンちゃんはもふもふの付いた棒で身体や顔を突いたり、ティッシュでこよりを作って鼻に突っ込んだり。至近距離で風船を割ったり無理やりポッキーゲームをしたりと、一つ一つタツキに試していくが(タツキは明らかに目が覚めているリアクションを取るが)起きる様子はない。
 
次は朴がタツキを起こそうとする番。
タツキは朴のギャグが好きだから、僕が一発ギャグをしたら起きると思うと言って一発ギャグをするが起きない。
それでも駄目なら、いつも一緒に踊ってる曲を聴いたらタツキも思わず起きるのでないかと提案する朴。

 

♪『レトロマニア狂想曲』
 朴ウィト 榊原タツキ

 

曲が始まるとタツキは突如立ち上がり一通り踊ったものの、踊り終えたタツキは再び倒れ込み眠りについてしまう。

2人が何をしても起きてくれないタツキに、朴はこうなったら森の住人に話を聞こうと言い出す。
「おーい!森の住人さーん!」
そう呼んで現れたのはマイメロディだった。
「うわーー!マイメロディ~~!?かっわいい~~!」

森の住人であるマイメロディは、この森で起きた事全てを知っているのだという。

マイメロディはタツキが突然眠りに就いた事、それは5年に1度しか咲かない幻の花カルレケンの香りを嗅いで悲しい過去を思い出してしまったからだと話始める。

 

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小さい頃のタツキはいつもひとりぼっちだった。屋敷にメイドと執事はいるが両親は不在がちで、同年代の友達は1人もいない。

親に連れられて来た親戚のスウェーデンの屋敷。パーティーに飽きたタツキは1人こっそりと抜け出し、決して入ってはいけないとされる部屋に入り込んでしまう。
そこにいたのは優雅に踊る1人の少年だった。
「盗み見るなんて失礼だな」
「ごめん!あまりにも素敵なダンスだったから…」


「ねぇ君は誰?ここで何してるの?」

と少年に興味津々で話しかけるタツキだが、それに反して迷惑そうにあしらう少年。
部屋に一人でいる少年に、僕と一緒だねとタツキは呟く。

「僕は榊原タツキ。趣味はお菓子作り。だから好きな食べ物は甘いスイーツ全般!あ、でも苦いものとシナモンは苦手。しいたけはもっと苦手。好きな飲み物はカフェオレ!大人でしょ」
「お前、聞いてもないのにすごい話すな」
「だって聞いてほしいんだもん。友達になりたいって思ったから。相手のことを知りたいときは、まず自分の事から知って貰わないと。」

 

「何か面白い事して見せてよ」

少年の提案にタツキは、先ほど少年が踊っていたダンスをぎこちなく踊り始める
「それさっきの僕の真似?」
「うん。ねぇ、君ももう一度踊って見せて?」

タツキの手を取り、コンちゃんはタツキに教えるようにリードしながら、二人で楽しく踊り始める。

 

♪『君と踊れば』
 コンスタンティン 榊原タツキ

 

「そうだ、名前は?」
コンスタンティンコンスタンティン・ウルフガング・レンネルフォッシュ。好きな食べ物はプリンセスケーキ。好きな飲み物は紅茶。いや、さっきのタツキの真似をしてみただけさ」
「宜しくね!コンちゃん」
「コンちゃん?」
「うん。だって名前、長いし。僕絶対覚えられないから。だからコンちゃん。」
「ふふ、コンちゃんか…」

 

「ねぇ、タツキも1人なの?」
「うん。親は家にいない事が多いし、メイドと執事はいるけど…1人みたいなものだよ。」
同じ一人ぼっちのコンちゃんに、タツキは友達になろう、また一緒に踊ろうと誘う。

「僕たちが友達になれば、一人ぼっち同士じゃなくなるってことでしょ」

 

恵まれた家庭にいながら一人ぼっちである点において、コンちゃんとタツキはとても似た環境にいた。
タツキの両親は不仲ではないが、コンちゃんは両親の仲が悪く最近喧嘩が絶えないのだという。
「皿の割れる音、壁を蹴る音そんなのもう聞き飽きちゃった。両親には仲良くして貰いたいのに…僕が悪い子だからいけないのかな」
「コンちゃんはいい子だよ!悪くないよ!」
また名前を呼んで貰いたい、頭を撫でて貰いたい、抱きしめて貰いたいという親に対する思いをコンちゃんはタツキに吐露する。

 

友達になったタツキとコンちゃんは一緒に遊ぶようになり、楽しい日々が続く。
永遠にこの時間が続けばよかったのに。
しかし、ついにタツキが日本に帰る日が来てしまう。

お別れを伝えに来たタツキは、まだコンちゃんとずっと一緒に遊んでいたい、絶対にまた会えるよねと泣きそうな声でコンちゃんに話し掛ける。
どうしようもなく駄々をこねるタツキに「うるさいな!」と一蹴してしまうが、コンちゃんのその表情もまた悲しく辛そうなものであった。
そうしていると、とうとう時間が来てしまいタツキは親に呼ばれ部屋から出て行く。

 

再び部屋に一人になってしまったコンちゃんは泣きながら
「行くなタツキ!僕だって、ずっと一緒に遊んでいたい!タツキ!!!!!」
とタツキの名前を叫び続けるのだった。

 

コンちゃんは実は生きている人間ではなく霊体であった。両親の仲が悪く、ある時喧嘩中の父親がナイフを取り出し、それを止めようとして間に入ったコンちゃんの胸にそのナイフが刺さってしまう。
裕福な家庭でありながらいつも一人だったコンちゃん。そんなコンちゃんとタツキだったからこそ、通じ合うものがあったのではないか。タツキとずっと一緒にいたいというコンちゃんのあまりに強い意志は、うさぎのぬいぐるみへと宿っていったのだった。
そしてスウェーデンの屋敷でタツキが迷い込んだその部屋こそ、その事件のあった場所で、カルレケンの花があったのだという。

 

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「中島さんから少し聞いた事はあったけど…」マイメロディから話を聞いてびっくりする朴。
コンちゃんはその過去を思い出して苦しそうに頭を抱えていた。あまりに取り乱したその様子に朴は心配するが、コンちゃんは取り敢えずカルレケンの花には近づかないようにするよ、と何処かへ行ってしまう。

 

そこへ「タツキ様!見つけましたよ~タツキ様の飲んだことのないような紅茶の茶葉を!」と茶葉を探しに行っていた中島が戻ってくる。
しかし当のタツキが倒れているのを目にして慌てて駆け寄る中島。
コンちゃんや朴と同じように脈と熱を確認しようとするが、おでこをくっつけようとすると、寝ているのに何故か中島を避けるタツキ。

「一体なにがあったのですか?」
「うーん説明するの、めんどくさいな~」
朴が実はかくかくしかじかで~とすると「そんな事があったのですか!」と一瞬で理解する中島。
「取り敢えずあの花をどうにか出来ればいいんですけど…」
「それなら、いいものがあります」と中島は再び袖へ戻っていく。

 

すると先ほどカルレケンから離れると言ったコンちゃんが客席の方から出てくる。
「流石に離れすぎでしょ!はやく戻って来て!」
と呼ぶ朴に対して、客席を優雅に歩いては森の妖精(観客)達に「どこからきたの?誰を見に来たの?」と問い掛けたりしながら戻ってくるコンちゃん。

 

すると「ありましたよ〜」と中島が透明のケースを持って出てくる。
こちらは?」
「コンちゃんですよ」
「あぁ、コンスタンティン様でしたか!」
と初めて見る人間の姿のコンちゃんにも何故かすぐに納得した様子の中島。

「これに入れて封印してしまえばもう大丈夫です!」
とカルレケンの花を摘み取り透明のケースへ隔離するが、タツキは未だ起きる様子はない。

 

どうすればタツキを起こす事が出来るのだろうとコンちゃんと朴が考えていると、
「こっちから何かいい匂いがする」とお菓子の匂いに誘われてやってきたのは家ねずみのジョージとブックス(ちっちゃな英雄からのゲスト)だった。

朴がまた、かくかくしかじかで~と倒れているタツキについて説明すると
「かくかく?」
「しかじか?」
「「お~なるほど~!」」
と一瞬で理解するジョージとブックス。
タツキの目を覚まさせる方法を知っていると言う2人は、朴とコンちゃんに勝負を仕掛ける。2人が勝てばタツキが目を覚ます方法を教える代わりに、ジョージとブックスが勝った場合はお茶会のお菓子を譲ってほしいのだと言う。

 

勝負をするのなら邪魔じゃない?と朴はステージの端で寝ているタツキを指差す。
どこか別のところに動いてくれないかな~いい感じに動いてくれないかな~とカウントを取りながら全員が後ろを向くと、その隙にいつの間にかステージ一段下の階段に移動して倒れているタツキ。

 

これで準備は整ったと、まずはダンスで対決をする事に。2人ペアでいかに揃ったダンスができるかで勝敗を決めるというものだった。
先攻のコンちゃん&朴のダンスは息もダンスのジャンルもバラバラで全く揃わない。
「そっちが僕に合わせろよ!」
「「ムムム!」」とまた睨み合いまで始まってしまう。
それに対しジョージとブックスのダンスは完璧に息が揃っていて差は歴然だった。
客席にどっちが揃っていたかと挙手を取るが、当然のごとくジョージとブックスの勝ちだった。

負けてしまったコンちゃんと朴だが、次はクイズ勝負をしてほしいと持ちかける。
先攻のコンちゃんと朴側の出す三択のクイズに対して、同時に答えを言うジョージとブックスは息ぴったりな回答で正解してみせる。

後攻はジョージとブックスが問題を出す番。
「1!」
「3!」
とやはりバラバラの回答をしてしまう2人。
しかし、そこでコンちゃんが
「朴はバカだ!世界一、いや、宇宙一のバカだ。でも、タツキが信頼している朴は、バカはバカでも信頼のできるバカだ。だから僕は朴を信じる。」
と答えを1に訂正する。

コンちゃんが意を決して譲歩したものの、コンちゃんが初めに選んでいた3が正解だった。
「なんかごめんね」
「いやお前を信じた僕自身も、またバカだったって事さ」

 

勝負に負けてしまったコンちゃんと朴は、仕方ないといった感じでジョージとブックスにお菓子を渡す。
「持ってけ泥棒!」
「泥棒じゃない!」
「勝負に勝ったんだから、当然だよね〜」

そこへ「あらあら、ジョージにブックス。」とマイメロディが再び現れる。
「タツキくんはまだ寝ているの?そんなところで寝ていたら風邪ひいちゃうわよ。」
「それが…」と朴が説明しようとすると
「かくかくしかじか、お〜なるほどぉ〜!」
とまたしても一瞬で状況を理解するマイメロディ
カルレケンで寝てしまった人を起こすためには、その葉を絞って飲ませればいいと2人に教える。そう言う事でしたらお任せくださいと、執事の中島とメイドは早速カルレケンの葉を絞る作業に取り掛かる。

 

あーあ、教えちゃったとジョージとブックスが反応する。
「本当は2人の絆を確かめたくてわざと勝負を持ちかけたのよね」とマイメロディ
「そうだったの!?」

 

実際その勝負を通して最初は喧嘩ばかりだった2人の関係に信頼が芽生えてきた事を感じた朴とコンちゃんは、「やられた~~~」と大げさに泣くような素振りを見せながら肩を組む。
そこに寝ていた急にタツキが起き上がり、「やられたねぇ~~……!」と2人に混じって泣き始める。
我に返った朴とコンちゃんが「あれ?」といつの間にか混ざっていたタツキに気付いて視線を向ける。
タツキはバツが悪そうに先程まで倒れていた場所に戻って再び寝始める。
「起きてるじゃないか!」
「タツキ、後でお仕置きだからね」
と若干呆れ気味の朴とコンちゃん。

 

ジョージとブックスは「やっぱりこのお菓子は返すよ」と一度貰ったお菓子を戻そうとするが、
「負けは負けだ。そのお菓子は持っていってくれ」
「本当にいいの!?」
「巣に持ち帰ってみんなで分けよう!」と嬉しそうに2人は帰っていく。

するとメイドと作業をしていた中島が「さぁ、出来ましたよ!」とカルレケンの葉の絞り汁の入ったティーカップを持ってくる。
「「僕が飲ませる!」」
同時に意気込む2人だが、我先にとティーカップを中島から受け取った朴を見て、コンちゃんは悲しそうに座ってしまう。
朴はタツキに汁を飲ませようとするが、暫く考えた後
「やっぱりコンちゃんが飲ませて」とティーカップをコンちゃんに差し出す。
「いいのか…?」
とティーカップを受け取るコンちゃん。
喧嘩ばかりだった2人が仲良くなっているのを見て、中島は「友情ですねぇ~」と感動している様子だった。

 

「タツキ、待たせたね」
コンちゃんは寝ているタツキを抱き起こし、ゆっくりとカルレケンの葉の絞り汁を飲ませていく。
「あれ………?」と徐々に目を覚ましていくタツキ。
「おかえりタツキ!」
タツキがコンちゃんと顔を見合わせる。
「コンちゃん!!!」と思わず2人は固く抱き締め合う。

眠りから覚めたタツキは周りを見渡し、
「あれ?みんなどうしたの?ウィトっちなんでいるの?」
「なんでって!僕呼ばれた側!!色々大変だったんですからね…!」
「あぁ…かくかく、しかじか……?」
「知ってるじゃないですかー!」
「タツキ様、皆さん本当に心配されていたんですよ。」
「そっか…みんなごめんね、」


「さぁティーパーティーのはじまりだ!」

 

♪『夢路香りて宴と為す』
 榊原家・朴ウィト
 
ここでマイメロディが出てきて
「タツキくん、目をさましたのね。みんな大好きなタツキくんを助けたくて必死で、朴くんとコンちゃんなんてけんかしそうになりかけていたのよ」
「そうだったんだ…心配かけてごめんね、僕もみんなが大好き。これからも、歌やダンスで伝えていくから…だからこれからもそばにいてね」

ED♪『PORTE BONHEUR』
  榊原家・朴ウィト


カーテンコールへ

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カーテンコールでは毎回タツキくんが一言挨拶をするのですが、千秋楽では朴とコンちゃんも一言挨拶をしました。
そして退場していくも拍手は鳴りやまずダブルカーテンコールへ。
これは予想外だったようで、びっくりしながらも嬉しそうなタツキくんとコンちゃんと朴が出てきてくれました。「何も考えてない」「裏でコンちゃんとハグしてるところだったのに邪魔しないでよ!」と言ってるタツキくんがとにかく可愛かったです(感想)
しどろもどろのタツキくんに対して「こういう時はダブルカーテンコールありがとうございますって言うんだよ」「スタッフのみなさんありがとうございます」と綺麗に纏めてくれるコンちゃんは何処までもタツキくんのお兄ちゃんのようでした。


本人たちも四回目をやりたいとおっしゃってくれたので、私たちはずっと待ち続けたいと思います。
本当に、素晴らしい舞台をありがとうございました。